【Git】変更の一時退避 stash サブコマンド

git stash コマンドを使ってファイルの変更を一時退避#

git stash コマンドは、Git における作業フローを柔軟にする強力なツールです。基本的な使い方といくつかの応用例を解説します。

Use git stash when you want to record the current state of the working directory and the index, but want to go back to a clean working directory.

公式ドキュメント (https://git-scm.com/docs/git-stash) より抜粋。

stash は単なるコミットではない: stash は、通常のコミットとは異なり、インデックスとワークツリーの状態を保存したものです。そのため、未追跡ファイル や インデックスにステージングされていない変更 も保存できます。
stash の構造: stash は、複数の変更をスタック状に保存します。各変更は、stash@{0}、stash@{1} といったように、stash@{n} という名前で参照できます。

特定のファイルだけを stash :
```
git stash [push] -- <ファイル名>
```
- push のときは push を省略可。
- このコマンドを使うと、指定したファイルを stash に保存し、他のファイルはワークツリーに残すことができます。
  - push コマンドでは、stash に保存した変更は一時的に見えなくなります（ファイルの状態が HEAD まで戻る）
まとめて stash :
```
git stash [push] [--all | --include-untracked | --staged | etc.]
```
- —all / -a : .gitignore 等によって無視されているファイルもすべて含む
- —include-untracked / -u : まだ git add していないファイルを含む
- —staged / -S : git add しているファイルのみ
- その他のオプションは man git-stash で man ページを確認
stash の一覧を確認:
```
git stash list

stash@{0}: WIP on main: xxxxxxx comment-x
stash@{1}: WIP on main: yyyyyyy comment-y
...
```
- ファイル変更の一覧を確認できます。左の stash@{0}, stash@{1} が各変更・stash の名前です。
もっと stash の内容を見る:
```
git stash show
```
- stash の内容を差分表示します。
```
git stash show --patch
```
- オプション —patch は -p でも可。
- stash の内容をパッチ形式で表示します。
stash を適用（復元）する:
```
git stash pop <stash の名前>
```
- stash の名前は git stash list で確認。

stash を消去する:

# 全部消す
git stash clear

# 特定の stash を消す
git stash drop <stash の名前>

stash を別のブランチへ移動する:
- git checkout でブランチを移動してから git stash pop で stash を適用すればよい。
stash を編集する:
```
# stash を適用する
git stash pop stash@{0}

# 変更を加える
git stash [push] <options>
```
- pop で復元する stash の名前は git stash list で確認。
- stash を適用し変更を加えた後に、新しい stash として保存。
stash をマージする:
- git stash pop で stash を適用した後、普通に git add, git commit で変更をコミットすればよい。